スポーツ障害の肘の痛みは「野球肘」と「テニス肘」の2種類があります。
どちらも肘の痛みを指しますが、痛む個所も原因も異なります。
野球肘とは、投球動作により肘を痛めるスポーツ障害の総称です。
野球肘には、肘の内側に発生する内側側副靭帯損傷(内側型野球肘)と外側に発生する離脱性骨軟骨炎(外側型野球肘)があり、内側型野球肘のほうが頻度が圧倒的に高く発症します。
野球選手以外にも、腕を捻じる動作の多い仕事や重い物を持ち上げる作業の多い方に発症しますが、一般的には腕を捻じった時に内側側副靭帯(小指側の肘の辺り)が痛い場合を野球肘と称することが多いです。
まずは、痛みの動作検査を行います。
①腕を伸ばし、内側と外側に捻じってみてください。
②整形外科テスト・Thomenテスト、Chairテスト、中指伸展テストを行い、外側上顆炎か内側上顆炎かを判断する。
①と②の検査では、肘の小指側が痛かったでしょうか?
仮にこれらのテストで外側が痛かった場合は「外側上顆炎(テニス肘)」となりますので、「テニス肘」のページをご覧ください。
もし、小指側が痛かった場合は以下のことをしてみてください。
【1】尺側伸筋の下側を内側・外側に捻じり上方へ持ち上げる。
【2】尺骨伸筋を指先から肩側へ牽引したまま保持し、相手の身体を左右に揺らせ、次に身体を捻じらせる。
【3】上腕二頭筋腱を圧迫し、腕を伸展屈曲させる。
映像と異なり、文章で表記することはとても困難で解り難いと思いますが、いずれも肘を正常な状態に戻すことが重要です。
いずれかの方法で痛みに変化はありましたか?
最初の腕を捻じった時の痛みを10とすると変化はあったでしょうか?
仮に10の痛みが8程度に減少すれば、同様のことを繰り返し10→8→6→4と減少されば良いのですが、痛みに変化がない場合は違う個所に原因があると思われます。
注意:痛みはいきなり10→0にはなりません。変化が重要です。
野球肘は、繰り返し肘への負担が過剰に掛かることが原因で起こりますから、投球フォームや生活環境の見直しが改善への早道です。
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